「里窯 おくどさんセット」なら固形燃料を使って食卓で簡単に美味しいご飯が炊ける

旅館でよく見かけるこの水色の固形燃料に火をつけてしばらくすると、羽釜が熱せられてご飯の炊ける良い香りが漂ってくる。たまにはこうして、一人分のご飯を目の前で炊くのもよいものだ。
約20分ちょっとで固形燃料の火が消え、その後10分ほど蒸らせばふっくら美味しいご飯の完成!
「上手く炊けてるかな?」と、ワクワクしながら蓋を開けると、炊き立てのご飯から湯気がもあもあと立ち上る。
京都のおくどさんとは?
「おくどさん」とは、京都の言葉で「竈(かまど)」を意味します。「くど」は本来、かまどの後ろ側にある煙の排出部を指す言葉でしたが、京都ではかまどそのものを「くど」と呼ぶようですね。ていねいに「お」と「さん」をつけるところが、京言葉らしい、やわらかい感じがしますよね。
今回私は、陶製のごはん鍋「里窯 おくどさんセット」をお借りして、自宅でご飯を炊いてみました。
里窯 おくどさんセットについて
この陶製のひとり用ごはん鍋「里窯 おくどさんセット」を取り扱っているのは、「みつはし陶舗」さん。京都の中京区にある食器専門店です。
なんと、1921年創業だそうで。京都を中心に、家庭用の食器はもちろん、料亭やお料理屋さんなどともお取引があるとのこと。京都の料理人たちのニーズに応えるために、こだわりの逸品が京都だけでなく全国から集まっています。
そして、このごはん鍋を作っているのは、滋賀県の信楽町にある紫香楽焼き「里窯」の中川睦さん。器に載せる料理のことを考え、何を盛られても美味しく見える器作りをモットーに手作りで制作されています。
このおくどさんセットの特長は、なんと言っても30gの固形燃料ひとつでご飯が炊けるその手軽さ。使ってみる前は「本当にこれだけでご飯が炊けるの?」と半信半疑でしたが、実際につくってみたら本当にご飯が炊けました!
ただし、美味しく炊くにはちょっとしたコツもあるので、それについては後ほど詳しくお伝えします。
キャンプやアウトドアで、屋外での飯盒炊爨でご飯を炊くのは、火をおこしたり、火力を調整したり、時間を計って火からおろす頃合いを見計らったり結構大変ですが、このおくどさんセットは、固形燃料に火をつけるだけ。あとは、火が消えるのを待って、10分蒸らせば美味しいご飯ができあがり。
では、使い方をご紹介します。
美味しいご飯を簡単に炊くコツ
さて、ではおくどさんセットを使ってご飯を炊いていきましょう。
用意するものは、以下の通り。
- 里窯 おくどさんセット(台になる板、土台、羽釜、蓋、専用しゃもじがセットになっています)
- お米(最大1合)
- 水
- 30gの固形燃料
炊き込みご飯にする場合は、別途具材などを用意してください。
ちなみに僕は今回、鮭の缶詰とかつお節を加えて、炊き込みご飯をつくってみました。
陶製の器を初めて使う時は、「目止め」をするのがお勧めです。陶器は土でできていますので、焼成した時に細かい小さな穴があります。
そのまま使用すると、醤油や食べ物の油分などが入り込んでしまい、染みや汚れができてしまう場合があります。なので、購入したらまず最初に、器を米のとぎ汁で煮て、見えない穴をふさぐ「目止め」をします。
大きめの鍋に器全体が浸かる量のとぎ汁を入れ、弱火で20~30分程度煮てください。火を止めたら鍋ごと冷まし、その後洗ってから、水分を拭き取ってしっかりと乾かしましょう。
お米を炊くときは、陶器がしっかりと乾燥している必要があります。特に、羽釜の外側が濡れていると、固形燃料の火力がなかなか内側に伝わりにくくなり、上手に炊けないことがあるので注意してください。
もう一つ注意すべき点は、固形燃料。30グラムのサイズのものを使います。
最近では、100円ショップでも売られていることもありますが、燃料のサイズに注意しましょう。
また、固形燃料は開封後時間が経つとアルコールが気化して、だんだん小さくなってしまいます。量が目減りした固形燃料では、十分な火力が維持できない場合があります。
お米の分量と、水の量の目安は下記のとおり。
- お米 1カップ → 水 1と1/4カップ
- お米 3/4カップ → 水 1カップ
- お米 1/2カップ → 水 3/4カップ
※お米が1/2カップの場合は、25グラムの固形燃料を使ってください。
白米の炊き方は、こちら。
- お米を研いだら、30分ざるにあげておく
- 羽釜に上記の量を目安にお米と水を入れる
- 土台(コンロ)に30gの固形燃料を置き、火をつける
- 火が消えるまで、そのまま待つ(燃焼時間は22~25分程度)
- 火が消えた後、10分間蒸らしたら完成!
炊き込みご飯にする場合は、お米の量は1/2~3/4カップにして、水の量も少なめに調整してください。
というわけで、自宅で炊き込みご飯をつくってみました。
今回は、こちらの缶詰とかつお節を使います。
お米と水、そして具材を加えます。醤油やみりんなどもお好みで。
固形燃料を土台の中に設置。
火をつけて、炊飯中の様子。
30gの固形燃料は、通常22~25分程度燃焼します。ちょうど1合のご飯が炊ける量です。
鍋の蓋の穴から、ご飯が炊ける泡と湯気が立ち上ってきました。
火が止まってから、10分蒸らしたら完成!
ふっくら炊きあがっていて、とても美味しかったですよ。ちょっと失敗したのは、具材が多かった分、お米が多すぎたな、と。炊き込みご飯の時は、お米を少なめにするべきでしたね。缶詰の汁も入れたので、お米の水の量を両方とも3/4カップずつにするのがちょうど良いかもしれません。いろいろ、調整しながらやってみてください。
アルミ製の飯盒でも、同様に固形燃料を使ってご飯を炊いたことがありますが、それよりもふっくらと炊き上がりました。陶製の羽釜は厚さもあり、蓋もしっかりしているので、熱をうまく中に閉じ込めるようです。飯盒にありがちな吹きこぼれもなく、安心してテーブルの上でご飯を炊くことができました。
なによりも、目の前でご飯が炊けるのが素敵ですね。手軽につくれるので、また他の炊き込みご飯にもチャレンジしてみたいと思います。
まとめ
自宅の食卓で、固形燃料を使って簡単にご飯を炊くことができる、「里窯 おくどさんセット」をご紹介しました。テーブルの上に置いて使うことができる、陶製の小さなかまどのような製品です。
一合炊きですので、一人暮らしの方にもお勧めですが、家族全員の人数分のセットを購入して、みんなでご飯を炊いて食べるのも楽しそうですね。
アイデア次第で、いろんな炊き込みご飯もつくれそうです。