冬がもっとアクティブに過ごせる予感!ふとん屋「生毛工房(うもうこうぼう)」が作った極上ダウンジャケット体験レビュー

一日の中でいつが一番幸せか?
美味しいものを食べる時、家族とのティータイム、どれも至福だけど、やっぱり私は眠りにつく時が一番好き。
ふとんをぎゅっと抱きしめて顔をうずめ、「寝ていいんだ!」と緊張から解放されるあの瞬間ときたら!
そして文字通り夢のような数時間をたゆたい、もっと深く・・という頃、無情なアラームにたたき起こされる朝。もう少しまどろんでいたいけど、現実はベッドから起き上がらないことには生きていけない。
特にこれからやってくる寒い時期はベッドごと動きたい。
そんな非現実的なことを考えたのは一度や二度ではない。
でもそれを「現実にできる」アイテムがあるとは知らなかったからなんだけど。
ダウンジャケット誕生のきっかけは「うもうふとんを知ってほしくて」
「最初はウチのうもうふとんに興味を持ってもらいたくて作ったんですよ」
「生毛工房(うもうこうぼう)」のスタッフはまずそう切り出した。
うもうふとん専門のふとん屋「生毛工房」が作った「ダウンジャケット」の新作を着てみませんか?とオファーをいただいたのはまだ酷暑真っただ中の8月末。
売り出す前に試すとなると考えただけで死ねる。と思ったら、なんとトライアルの場所に「マイナス20℃の冷凍倉庫」を用意してくれた。その企画にもびっくりだけど、冷凍倉庫って撮影用にレンタルできんだな!という事もかなりの驚き。
そして1か月後のトライアル当日。ジャケットを初めて渡された瞬間、私は「軽っっ!」と叫んだ。
驚くほどに軽く、触り心地もサラっとして、肌掛けふとんを持っているみたい。
でも軽いのにダウンもみっちり入っていて、着るとすぐに体温で温かくなり、包み込まれるような幸せな気分になる。そしていよいよマイナス20度の世界へ。
全然平気!
もしや温度下がってないのか?と思いきや、温度計は確かにマイナス20℃だし、ジャケット着てないスタッフはものの1~2分でギブアップしたので、本当に寒いらしいぞというのはわかった。
着ている本人は、上半身が温かいのは勿論、露出した顔や手も思ったほどかじかんだりしない。
これはまさに「着るふとん」だ。
実は自分が使っているふとんは「寝られればOK」というだけの安物で、恥ずかしながら中身の素材比率すら知らない。そもそも「ダウン」と「フェザー」の違いさえ危うかった私は、このジャケットのからくりがまるでわからなかった。
「生毛工房」が店名にもこだわって表記している「生毛(うもう)」の意味。
通常の「羽毛」ふとんが水鳥の「羽根」(フェザー)と「胸毛」(ダウン)の混合で作られるところ、生毛工房は、上質なダウンが限りなく100%に近いふとん作りにこだわるからこそ「生まれたての純粋な毛」=「生毛(うもう)」と表現しているという。
質の高い産地にもこだわった最高級のダウンだけで作られたら、そりゃ軽くてあったかいよね。
さらに、寒さを感じる首周りにダウンを増やしたり、ポケットに手を入れた時のひんやり感をなくすため、中生地を裏起毛にしたりと、体全体を温めることを考えられていて、冷凍倉庫もまるで敵ではなかった。
日常生活の「どこでもふとん」として大活躍
ジャケットを持ち帰った私は、早く日常生活で使ってみたくて、寒くなるのをひたすら待った。
「一雨一度」。10月も半ばを越えると雨ごとに空気が入れ替わって、朝晩はもうジャケットを羽織ってもいい位肌寒い日が増えた。
薄曇りの休日、サンドイッチとあったかい紅茶をタンブラーに入れて近くの公園へ。
少し涼しいと感じたら羽織ったり、また脱いだりみたり。
触り心地がいいので抱き枕のように抱えているだけでも幸せ・・・。
その後はベンチに座って本を読んだり、芝生に座りランチを食べたり、ダウンジャケットは膝元を包むブランケットとしても大活躍。
レジャーシートに寝転がってダウンジャケットを羽織ると、風も吹いて体感温度も下がっているのに、気を抜けばすぐ別の世界へ連れて行かれそうになる。
いや、もうふとんでしょ!・・・まぁ、それでいいのか。ふとん屋のジャケットだもんな。
まったくもって思うつぼの簡単なヤツだ、私は。
ちなみにこれは自宅のリビングでゴロンとなった瞬間にも当てはまる。
というか、一度即落ちした。
リビングで不用意にうたた寝すると、普通は途中で寒くて起きるのだが、このダウンジャケットにくるまって寝た時は、家族曰く「ピクリとも動かない熟睡っぷり」だったらしい。
生毛工房のダウンジャケット、恐ろしい子・・。
趣味の写真撮影の強い味方になる予感
もっと切実にこのジャケットを使ってみたいのは写真撮影の時だ。
工場夜景やスポーツ観戦といった寒い屋外でじっとしていなきゃいけない場面には防寒着は欠かせない。
先日、雨の中カメラを持って早朝散歩をしていた時に着用してみた。
傘を差しながらの撮影でジャケットに雨があたる事も多かったが、表面の撥水効果もあり、濡れた不快感は全くない。
ジャケットのダウン量が多ければより温かくていい反面、モコモコしてカメラストラップを斜め掛けしにくいものだが、生毛工房のダウンジャケットは、実際に着てみるとすっきりしていて脇回りもだぶつかない。
おかげでリュックも背負いやすく、何も邪魔にならずにただ温かい。最高か。
また、深いVネックインナーを着ていたものの、首周りのダウン増量のおかげで首元の寒さも感じなかった。
いつも冬の撮影ではカメラを首から下げている時にマフラーをするとストラップと絡んで邪魔だったので、これだとマフラー要らずに過ごせるかもしれないと期待している。
ちなみに、脱いだジャケットをコンパクトにしまえるのも魅力の一つ。
日中の温度差が激しい一日がかりの撮影では、頻繁に脱ぎ着するので、機材荷物が多い撮影時には収納が便利なのはとても助かる。
まとめ:突き詰めれば「シンプル・イズ・ベスト」
私がこれまで着たことがあるジャケットと比べて、生毛工房のダウンジャケットは実にシンプルなデザインだ。
かわいいファーの襟やフードもない。女性らしい細身のAラインで可愛い路線になるわけでもない。
柄もない。ユニセックスで、無地のシンプルなダウンジャケット。
でも、品質は紛れもなく最高級で、軽くて扱いやすくて本当に温かい。
シンプルとは「簡素」ではなく、余計なものをそぎ落とした「洗練」だ。
これはダウンジャケットのダウンジャケットたる所以を突き詰めた逸品だと思う。
願わくば明るめのカラーもあればなお良かったけど、それは今後に期待。
私はこの冬最強のアイテムを手に入れた。
カジュアルでもビジネスでも、寒い外出にめげず快適に過ごせそうだ。
「まけないこころが +2上がった」(気がした)。